こんにちは。
葬儀・終活アドバイザーであり、
大手葬儀社勤務歴6年、葬儀業界歴が10年になる
「あなたの葬儀」代表の堺です。
終活を始めようと考えている人の中で、
終活は何歳から始めるべきかで迷われている人は
いませんか?
終活を始めようと思っても、
何歳から始めるのが適切なのか
分からない人も多いのではないでしょうか。
ただ先に結論を申し上げると、
終活は何歳から始めても問題はありません。
終活を始めるべき年齢に決まりはなく、
興味を持った時に始めるのがベストです。
そこで本記事では、終活は何歳から始めても
問題はない理由について詳しく解説しつつ、
終活を始めようと考えるきっかけや
終活でやるべきことを年代別で紹介していきます。
【本記事を読んで分かること】
- 終活は何歳から始めても問題なし
- 終活でやるべきこと【年代別で紹介】
本記事を読むことで、終活を始める年齢に
決まりがないことが分かり、自分の年齢に合わせた
終活を進めることができますよ。
終活は何歳から始めても問題なし
冒頭でもお話しましたが、
終活は何歳から始めても問題はありません。
なぜなら終活とはこれからの残された人生を
より良いものにしていくための活動でもあり、
年齢に関係なく進めることができるからです。
終活とは自分の死に向けた準備だけではない
終活とはその言葉の通り、自分の死に向けた
準備を意味しますが、実は終活を始めれば
以下のようなメリットも得られます。
- これまでの人生を振り返ることができる
- 残された家族のことを考えられるようになる
- お世話になった人への想いを残す
- やり残したことや夢などを思い返すことができる
- 余生を通してできること・できないことを把握できる
上記の通り。
終活とは自分の死に向けた準備だけではなく、
自分がやり残したことやこれからの人生において
やるべきことを見つめ直すことができる
活動でもあります。
人生について考えるのは年齢に関係なく
いつでもできることになるので、
終活は何歳から始めても問題ないと言えるのです。
終活を始める理想のタイミングは興味を持ったとき
終活を始めるべきタイミングについても、
特に決まった年代はありません。
強いて言うならば、終活に興味を
持った時が理想的なタイミングでして、
年代問わずに興味を持った時に
始めるべきです。
実際に遺産相続に関する法律相談サイト
「相続弁護士ナビ」が2020年9月に
15歳以上の男女1000人に聞いたところ、
以下のような返答の結果を示しました。
質問:終活はいつから始めるべきか? | |
1位 | 興味を持ったとき(39.6%) |
2位 | 60代(17.6%) |
3位 | 70代(11.7%) |
4位 | 50代(8.5%) |
(参照:終活を始める時期は「興味を持ったとき」が約4割〜Yahooニュース〜 図は筆者作)
終活とは自分の死について考えることもあるので、
自分がまずは興味をもたなくては
なかなか前向きに終活を進めることは
できません。
さらに60代〜70代で終活を考える人もいますが、
体力の衰えや病気になる可能性も出てくるので、
気持ちが前向きになっている時や元気な時に
終活を進めるのが理想的と言えるでしょう。
終活に興味を持ち始めるきっかけは人それぞれで
異なりますが、本記事を読んでいるということは
少なからず終活に興味を持っているはずです。
なのでこのきっかけを生かして、
自分の年齢に合わせた終活を進めてみては
いかがでしょうか。
関連記事:終活はいつから始めるべき?【理想的なタイミングと始め方を紹介】
関連記事:【終活を考える5つのきっかけ】始めるタイミングや進め方を紹介
終活でやるべきこと・必要な準備【年代別】
ここまで終活は何歳から始めても
問題ない理由についてまとめていきました。
ではそんな終活ですが、年代別で
どのようにして始めていくべきなのでしょうか?
終活に必要な準備についてですが、
まとめると以下の準備をしていけば
問題はありません。
- エンディングノートの作成
- 遺言書の作成
- お金(資産)の管理
- 書類関係の整理
- 遺品・人間関係の整理(断捨離)
- 葬儀内容の把握や葬儀社の選定
- 遺影写真の撮影
- 葬儀後のお骨の埋葬方法
- 介護に向けた準備
※上記は「終活に必要な9つの準備」にて
解説した内容を抜粋したものです。
終活を始めるならこれだけの準備を
進めていく必要がありますが、
年齢によっては必要のない準備もあります。
なのでここからはそれぞれの項目において、
年齢別で何が必要で何を意識すべきなのかを
見ていきましょう。
エンディングノートの作成
終活を始めていくなら、
まずはエンディングノートを書きましょう。
エンディングノートは終活の中でも
手軽に始めることができるものでして、
年代に関わらず終活の準備を進めることが可能です。
エンディングノートに書く内容は
主に以下の通り。
- 自分の個人情報(生年月日、住所、電話番号など)
- 資産情報(貯金、証券、不動産、負債など資産全て)
- 家族・親族の情報(家族・親族との関係性、冠婚葬祭の記録)
- 友人・知人関係(いざという時に誰に連絡してほしいのかを記載)
- 葬儀関係(どのような葬儀にしたいのかを記載)
- 遺品の整理方法(残してほしいか処分するかを記載)
- 家族や知人関係に伝えたい言葉(感謝や謝罪の言葉)
上記の通り。
書く内容は死に向けた心構えを書くというより、
過去の人生を振り返りながら、
これからの人生をどう楽しくするかを
考えるために書くことがほとんどです。
また書くべき項目はたくさんありますが、
いきなり全ての項目を埋めようとする
必要はありません。
年代別で書ける範囲も変わってきますので、
残された家族が困らないようなメッセージを
手紙感覚で書き記していくと良いですよ。
年代 | 意識すべきポイント |
20代 | 社会に出て何をしていきたいのか、じっくりと考えながら書き記しましょう。 |
30代〜40代 | 結婚や子供が成長するまでの過程において、何が必要かを書いていきましょう。 |
50代〜60代 | 残された人生をどのようにして生きれば幸せか、じっくりと見つめ直しましょう。 |
70代以降 | 残された家族に言い残す言葉や自分の想いを書き記しましょう。 |
おすすめのエンディングノートを紹介
エンディングノートはまっさらのノートに
書くことで作ることもできますが、
近年は市販にてエンディングノートが
販売されています。
以下のエンディングノートは、すでに
書くべき項目が記されているノートなので
初めての方でもおすすめです。
それぞれ特徴があるので、自分お気に入りの
エンディングノートを見つけて、残された家族に
想いを伝えるようにしてみてくださいね。
遺言書の作成
先ほど解説したエンディングノートは
法的効果がありませんが、
遺言書には法的効果を与えることができます。
遺言書は相続トラブルや遺品トラブルを
事前に防ぐ役割を果たしてくれるので、
終活をする際にはぜひ終わらせておきたい
活動の1つです。
近年は遺言書を法務局に預けることも
できるようになってきているので、
家に置いておくのが心配な方は
利用してみてはいかがでしょうか。
関連記事:【遺言書は法務局に預けることが可能】遺書預かりサービスの利用方法
年代 | 意識すべきポイント |
20代 | 書く必要はありません。 |
30代〜40代 | 結婚をされているなら相続人が増えることになるので、「誰に遺産を残すか」などを明確にして書き記しましょう。 |
50代〜60代 | 定年を迎える年代になると、子供の有無や配偶者がはっきりと分かる年代です。誰が相続人にふさわしいか、明確に記しましょう。 |
70代以降 | 70代ともなると認知症などが理由で、正常な判断ができなくなる可能性があります。信頼できる身内と相談をしながら、相続や遺品をどうするかを書き記しましょう。 |
お金(資産)の管理
終活を進める上で、お金(資産)の管理は
必要不可欠となります。
お金の管理をしていくことで、
相続人に残せれるお金を把握するだけでなく、
残された人生に必要なお金がどれぐらいかを
理解することも可能です。
さらに相続されるお金には、借金も含まれます。
残された家族に迷惑をかけたくないと考えるなら、
しっかりと把握しておくことが重要となります。
年代に問わずお金の管理・把握は
必要になりますので、自分の年代では
特に何を意識すべきかを理解するところから
始めていきましょう。
年代 | 意識すべきポイント |
20代 | これからの人生において、自分に必要なお金がどれぐらいなのか。未来にどれぐらいのお金が必要で、今どれぐらいのお金があるかを理解しておきましょう。 |
30代〜40代 | 出産やマイホームの購入、子供の教育費など様々なイベントが多いので、どれぐらいの貯金が必要かを把握しておきましょう。 |
50代〜60代 | 証券・不動産・保険・借金などは子供が把握しているかを確認しましょう。また残された家族が困らない場所に書類関係を置くなどして迷惑をかけないように準備しましょう。 |
70代以降 | 残りの人生において必要なお金が残っているかを確認しましょう。また子供に残すべき遺産を相続しやすいように現金化しておくことも、終活では重要な対策です。 |
書類関係の整理
終活を進めていくなら、
書類関係の整理もしっかりと終わらせましょう。
葬儀が終わった後にはさまざまな手続きが必要ですが、
書類が足りないなどの事態に陥ってしまうと
手続きが進まなくなってしまい、
結果的に残された家族の負担を増やす結果となります。
例えば、以下に記した書類は
葬儀後にも必要になってくる
大事な書類関係です。
- 保険関係の契約書
- 不動産の登記簿・権利書
- 年金手帳
- 有価証券などの金融資産に関する書類
- カードの契約書
- 各種ローンの契約書
大切に保管していても、
残された家族が場所を把握していなくては
意味がありません。
なので事前に書類関係をどこに
置いているかなどを、残された人に
言い残しておくことが大切です。
年代 | 意識すべきポイント |
20代 | 各種ローンの書類やクレジットカードの書類を中心に整理しておきましょう。 |
30代〜40代 | 結婚した後は配偶者や子供に迷惑をかけないためにも、保険関係の書類は特に大事に保管しておきましょう。 |
50代〜60代 | 証券や不動産などお金に関する書類が増え始める年代なので、分かりやすい場所に保管しておきましょう。 |
70代以降 | 保険や年金など、大事な書類は全て保管しておきましょう。また自宅で介護生活をする人は器具のレンタルをする場合がありますので、契約書なども分かりやすい場所に保管しておくことが大切です。 |
遺品・人間関係の整理(断捨離)
遺品や人間関係の整理をしていくことも、
終活において大切なことです。
遺品整理や生前整理ともいいますが、
家にある必要ない物や今後の人生において
必要でない人を断捨離していくことで、
自分が過ごしやすい環境を作ることができます。
ただ遺品整理や生前整理と聞くと
重たい言葉に感じてしまうこともあるので、
まずは「身の回りの物や人の整理整頓をする」
という感覚で始めるのが得策でしょう。
断捨離をしていくことで心にゆとりが
できるようにもなっていきますので、
年代問わずに断捨離を進めてみてください。
年代 | 意識すべきポイント |
20代 | 自分にとって本当に必要なものだけを残し、これからの人生においての自分の価値観を見つけていきましょう。 |
30代〜40代 | 今後の人生において必要だと思う物を残し、使っていない物などは捨てるようにしましょう。 |
50代〜60代 | 残された家族に負担をかけさせないように、身の回りの物を整理しましょう。また自分が死んだら連絡をとってほしい、本当にこれからの人生に必要だと思う人だけと繋がるようにしましょう。 |
70代以降 | 遺品の中には重たい物も含まれるので、1人で行うのではなく家族で終活を進めるようにしましょう。ただ中には遺産を持ち逃げする人もいるので、信頼できる人か業者に依頼をするようにしましょう。 |
葬儀内容の把握や葬儀社の選定
終活を進めていくなら、
葬儀内容の把握や葬儀社の選定は
必要となってきます。
葬儀にかかってくる費用や
自分が将来的にしたい葬儀内容は
何かを決めておくだけでも、
残された家族の負担を減らすことになります。
ただし若い年代(20代〜40代)の場合は、
深く意識してしまうとネガティブな感情に
なりかねません。
あくまで50代〜70代の方達が、
「どのような葬儀をしたいのか」
「どんな最後を迎えたいか」などを
意識するようにしましょう。
葬儀で後悔する人は本当に多いので、
ぜひ早めに葬儀の準備を進めることを
おすすめしますよ。
関連記事:【葬儀の種類と特徴】費用相場やメリット・デメリットをプロが紹介
関連記事:【おすすめの葬儀社は遺族の要望によって異なる】正しい葬儀社選び
年代 | 意識すべきポイント |
20代 | 近くにどのような葬儀社があるかを見ておきましょう。 |
30代〜40代 | 葬儀の種類だけを理解しておき、どのような葬儀をしてみたいかだけを考えておきましょう。 |
50代〜60代 | 葬儀にかかる費用やどのような種類の葬儀を行いたいか、自分が亡くなったら誰を呼びたいかなどをエンディングノートなどに記すなどして準備を進めましょう。 |
70代以降 | 葬儀で使える補助金や保険金の理解。他にも葬儀社によってかかる費用の違いなど、葬儀社に訪問してみたりして比較・検討をしておきましょう。 |
遺影写真の撮影
遺影写真は20代〜40代の方は、
そこまで意識する必要はありません。
遺影写真は家においてある写真からも
作成することができるので、
もしものことがあったとしても
最低限の加工で作ることができます。
しかし50代以上の方の中には
綺麗な写真を残していない方も多く、
近年は遺影用に写真を撮る方も増えてきました。
さらには葬儀社や写真館などにいけば、
無料で遺影写真を撮ってくれるサービスも
増えてきています。
なので家の中に遺影写真に使えそうな
写真がないという50代以上の方は、
今の内に写真を撮っておけば残された家族が
後悔しなくてすむでしょう。
関連記事:【葬儀の写真マナー】遺影写真の選び方・注意点・撮影方法をプロが紹介
年代 | 意識すべきポイント |
20代 | 特に準備しなくても問題ありません。 |
30代〜40代 | 特に準備しなくても問題ありません。 |
50代〜60代 | 葬儀社や写真館などを利用して、後悔のない遺影写真を残しておきましょう。 |
70代以降 | 葬儀社や写真館などを利用して、後悔のない遺影写真を残しておきましょう。 |
葬儀後のお骨の埋葬方法
葬儀後のお骨の埋葬方法を決めておくことも、
終活においては必要な内容となります。
近年は昔のようにお墓に納骨をするだけでなく、
違った方法でお骨を埋葬する方法が
増えてきました。
例えるなら以下の通り。
- 永代供養
- 散骨
- 樹木葬
- 宇宙葬
お墓以外にもお骨を埋葬する方法が
増えたことで、費用面や自分の要望を考慮して
理想的な埋葬方法を選ぶことが可能となりました。
ただし20代〜40代といった若い年代は、
そこまでお骨の埋葬方法を意識する必要は
ありません。
50代以上がちょうど意識すべきタイミングなので、
希望する埋葬方法があるなら残された家族に
遺言として言い残しておくようにしましょう。
年代 | 意識すべきポイント |
20代 | どのようなお骨の埋葬方法があるかだけ理解しておきましょう。 |
30代〜40代 | 代々受け継がれるお墓があるのか、配偶者のお墓はどうなっているかなどを確認しておきましょう。 |
50代〜60代 | お骨を埋葬する費用や管理費用など具体的な金銭面を理解して、お骨の埋葬方法を決めていきましょう。 |
70代以降 | 残された家族がお骨をどのように管理してくれるのか家族の意向を聞きつつ、残された家族に負担をかけない埋葬方法を選んでいきましょう。 |
介護に向けた準備
介護に向けた準備は、50代以上から
意識をするようにしていきましょう。
50代以上となってくると体に
何かしらの病気を抱えることも増えてきて、
介護を受けざるを得ない可能性が出てきます。
さらに介護を受けたいとなったとしても、
すでに満室で希望通りの介護施設を
利用できなかったりして、しかたなく
自宅介護を受けるという人も少なくありません。
そうなると残された家族に負担をかける
結果になりかねませんので、体に病気を
抱えていない状態の時に、介護について
しっかりと考えておくことが大切ですね。
年代 | 意識すべきポイント |
20代 | 特に意識する必要はありません。 |
30代〜40代 | 特に意識する必要はありません。(自分の親の介護について考えるようにしましょう。) |
50代〜60代 | 介護施設の種類や受けれるサービス、かかる費用など介護の知識を深めて準備を進めておきましょう。 |
70代以降 | 自宅で介護を受けるか、介護施設を利用するべきかを検討しましょう。もし自分で判断できない場合には、残された家族と一緒に決めるようにすると良いでしょう。 |
まとめ|終活は何歳から始めてもOKです
ここまで終活は何歳から始めるべきかについて
回答しつつ、年代別の終活の進め方や始め方を
紹介していきました。
終活なんてまだ早いという方も多いですが、
人生というものは何が起こるか誰にも
予想することはできません。
実際に私は葬儀の仕事をしていくなかで、
若くして亡くなられた方を何度も見てきた
経験から、今の内に終活の準備を進めています。
終活に遅いも早いもありませんが、
体が思うように動かなかったり
考えることができなくなってしまうと
のちのち後悔が残ってしまうものです。
なので終活に興味を持ったなら、
60代〜70代の人限らずに
20代・30代・40代・50代の方もこの機会に
終活を進めてみることをおすすめしますよ。
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それでは以上です。
ありがとうございました。